母

 母の後を 風車をかざしながら追いかけていく

 風はやさしく 陽は暖かかった

 

 振り向く母の笑顔に 安堵しながら

 早く大人になって 親孝行したい

 そう 思ったものだ

 

 母の年をとうに越して 今 私は初夏の風に吹かれている

 若い母の声が聞こえる

 

 これは今 話題の柴田トヨさんの 「くじけないで」の詩集の中の

 ひとつです。

 

 私の母は私が41才になったばかりの 寒い日に天国にたびだちました、

 10年以上 病のなかにいて そして静かに一人で逝きました

 私は 今でも時々 ふと目をとじている時に母を思い出します。

 

 電車の中で 夜 布団のなかで.....

   今もし 元気でいてくれたら いろんなところに一緒に出かけることも

 できるのに。

 母が元気なときには ただ 自分の生活だけでいっぱいでやさしい言葉なん かも 言えていなかったと思う

 

 柴田とよさんのこの詩を 読むといつも母の若く元気だったころの声が

 おもいだされるのです

 「ゆきちゃん!」て呼ぶんだよね

 

 目をとじると いろんな場面の母にあえる。

 だから 時々 子供のころのように「お母ちゃん」て呼んでみたりする

 んです。